現在位置 : ホーム > マグ研 ラインナップ > Vol.3 着磁ヨーク・着磁コイルについて
着磁装置において磁石を十分に着磁するにあたり、必要な磁場を発生する方法の代表として着磁コイルと着磁ヨークがある。着磁ヨークの設計は、着磁技術の中でも最も重要な要素を持ち、製品性能を大きく左右する。
着磁ヨーク
着磁ヨークには、外周、内周、平面、複合の着磁ヨークがある。
着磁ヨークは磁石の形状、着磁方向、磁極数に応じて設計・製作するが、NdFeB系磁石等の多極着磁では巻線スペースが取れず1~4ターン程度、巻線径はφ0.8~φ2mmであり、高電圧1000V~5000V、大電流5KA~40KAを流して着磁する必要がある。このため、磁石生産時における着磁電流、サイクル時間を考慮し、耐電圧・耐発熱・耐振動に十分注意を払って設計・製作する必要がある。
ヨーク材は透磁率・飽和磁束密度が高い材質で、渦電流を減少させるため珪素素鋼板を積層して使用し、磁石着磁面と磁極間を最短として巻線を極力磁石に近づけ、高磁界を発生する必要がある。
着磁コイル
空芯コイルは、コイル内面に垂直の磁界しか発生しないためN-S一対の着磁しかできない。50[kOe]以上の高磁界が要求される場合、応力により巻線が破損しない様に外周に特殊繊維を巻く等の工夫がなされている。 コイル中心に発生する磁界は(1)式で表される。
空芯コイルにてフェライト磁石を着磁するために要求される10[kOe]を得るためには, 巻線2mm×4mm角線、内径30mm、高さ100mm、巻数10回の着磁コイルを用いると、着磁器はコンデンサ容量2000μF、充電電圧1000Vにより着磁電流9kAが要求される。
NdFeB系焼結磁石を着磁するために30[kOe]を得るためには、同着磁コイルでコンデンサ容量2000μF、充電電圧3000Vにより着磁電流27kAが要求される。