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製品・技術情報

着磁器イメージ

着磁器

永久磁石を磁化するためには、「磁石素材(磁性体物質)の持つ最大磁束密度の飽和点に達する強さの磁界」を与えることが必要です。この高磁界を作り出すエネルギー供給装置が「着磁装置」です。着磁装置は着磁器・着磁電源とも呼ばれており、着磁ヨークやコイルと組み合わせて磁石の着磁を行う際に用いられます。商用電源より内部のコンデンサに充電し、そのエネルギーを着磁ヨークに放電することで高磁場を発生させ、着磁を行います。

※代表的な機器をピックアップしています。

ラインアップ

着磁とは

磁石素材を飽和点まで磁化させる必要性

磁石素材は、成形のみでは磁気を帯びていません。磁石素材に磁気化することが「着磁」です。磁石素材は、着磁により永久磁石(マグネット)になります。産業用の永久磁石では、より強い磁気で着磁することが必要となります。磁石素材にはそれぞれ特性(強磁性、常磁性、反磁性)を持ち、磁気を帯びる限界点「飽和点」があり、その飽和点まで着磁を行う「飽和着磁」が求められます。

着磁の原理 磁石素材(磁性体)の種類

着磁装置の種類

静磁場発生方式とパルス磁場発生方式

飽和着磁をより安価で容易に作り出すのが、着磁装置の役目です。着磁装置には、「高磁界を発生させるための装置」と「高磁界を瞬間的に発生させるための装置」の2種類があります。前者の代表が「直流電磁石/コイル(静磁場発生方式)」、後者の代表が「コンデンサ式着磁器(パルス磁場発生方式)」であり、パルス磁場発生方式のほうが簡便な設備と安価な費用で高磁界を発生させるためのエネルギー供給が可能です。

着磁を行なうためには、「(1)着磁(空心)コイル」と「(2)着磁ヨーク」と呼ばれる2つの専用治具と、強力な磁界を発生させるための「(3)着磁電源」が必要です。

2極の着磁を行なう場合には、(1)の着磁コイルを使います。着磁コイルは、電線を円筒状にグルグル巻いた「コイル」に電流を流すと、そのコイル内側に磁界が発生。コイル内に磁石素材を入れることで着磁することができます。その際、磁界はコイルに流れる電流の向きによって、磁界の強さはコイルに流れる電流の強さによって決まります。着磁コイルは仕組みがシンプルでわかりやすい一方で、NとSの2極のみの単純な着磁しかできず、コイル内を通すため、磁石素材の形状やサイズに制限が出ます。

2極以上の多極着磁を行う場合には、(2)の着磁ヨークを使います。着磁ヨークは、鉄芯に電線を巻いて作るも ので、原理的には着磁コイルと同じですが、鉄芯の形状や巻線の方法を変えることで、発生する磁界を制御し ながら、多極タイプや様々な形状への対応など複雑な着磁ができます。

高磁界を発生させるには最大40kAにおよぶ大電流が必要になります。この大電流を発生させるのが(3)の着磁電源であり、コンデンサを利用した「コンデンサ式着磁電源」が一般的です。

NDKの着磁器ラインナップ







  制御方式
デジタル制御(三相) デジタル制御(単相) アナログ制御(単相)
高圧コンデンサ式着磁器 SX  SX-E
三相電源入力を採用し、高速充電を可能した高性能制御タイプ。三相電源の使用により電源ライ ンの安定化と省電力を実現。特に大型の着磁器に多く採用
SR
最もポピュラーなタイプの着磁器で、幅広い用途に使用可能。デジタル制御を採用し、着磁条件のメモリー機能、電流コンパレータ機能など多彩な機能を搭載
SCBアナログコントローラを採用した、ローコストで汎用的な着磁器
距離減衰:空芯型 距離減衰:有鉄芯型 電流減衰
大容量コンデンサ式着磁器 - SV
従来の電解(ケミカル)コンデンサに替わる長寿命の大容量コンデンサを使用したタイプ
SBV従来の電解コンデンサに替わる長寿命の大容量コンデンサを使用したアナログ制御採用着磁器
距離減衰:有鉄芯型  
電解コンデンサ式着磁器 - SR
ケミカルコンデンサを使用した小型でローコストなハイパワー着電器
SCBケミカルコンデンサを使用した小型でローコストなハイパワー着電器
距離減衰:有鉄芯型 距離減衰:有鉄芯型
超多極着磁装置
ロータリ型着磁装置着磁ヨークに対し、着磁ピッチが高精度
リニア型着磁装置希土類磁石、5m以上の長尺磁石の着磁も可能
着磁システム
空芯コイル式着磁装置コアレス2極モータ用
フライホール用着減磁装置フライホイール用
着磁ヨーク・コイル マグネットを着磁する上で最も重要なことは、最適な着磁ヨークを用いることです。
直流式配向装置 SEP  SIP  ご要望の発生磁界強度の応じた装置を設計・製作